まっちゃん先生のコラム

コラム:脳血管障害の予兆

このコラムを書いている現在は、5月下旬ですが、外はまるで夏です。まだ5月だというのにすっかり暑い。湿度が低いのがせめてもの救いではありますが、5月でこの気温では、夏本番になったら、いったい何度になってしまうのか先が思いやられます。
池袋のほうしょう鍼灸治療院です。

今回は私の専門分野でもある「脳血管障害の予兆」についてお話ししたいと思います。
まず、脳血管障害は、東洋医学では「中風」といいます。「中風」には「中臓腑」と「中経絡」というものがあり、その違いをざっくり言いますと、重症なのが「中臓腑」で、意識や認識に問題が出るものです。軽症なのが「中経絡」で、意識や認識は普通の状態ですが手足の動きに問題が出ているものです。
この「中風」の非常に軽度なものは「肝風」と呼ばれる状態で症状が顕在化することがあります。
東洋医学では「中風」の「風」は「肝」と関連が深いと考えているところから、このように考えたりします。「肝風」と呼ばれる状態で起こる症状はいくつかありますが、代表的なものは「めまい」です。

「めまい」は基本的には臨床的によくある症状の一つで、鍼灸臨床では首コリから起こっているものが多くみられますが、「めまい」に「肝陽上亢」の症状、現代医学的に言えば、血圧の上昇が合併して起こっている場合、現代医学的にも検査をした方がよい状態と判断しています。
このような場合、現代医学の診察を受診していただいた後で、問題がない、もしくは現代医学の治療に併せて、鍼灸による取り組みをしてゆくのがお勧めです。

鍼灸では、手足のツボを使って身体を整えたり、首のツボを使って頭部の血流を良くしようとしたり、背中のツボを使って「臓腑」を整えようとしたりします。
脳血管障害が少しでも疑われる場合は、絶対に現代医学の受診が必要です。もし発症していたとしても、早期であれば非常に有効な治療が使える可能性がありますし、その結果、ほとんど後遺症を残さない場合もあります。それにプラスして、可能であれば鍼灸治療がお勧めできます。
鍼灸治療は「痺厥痴癱(ひ けつ ち たん)」が得意な症状と昔から言われていますが、ここのなかの「癱(たん)」は運動麻痺などのことで、脳血管障害で起こる片麻痺もこれに含まれます。
ぜひ、鍼灸治療も、治療の一つとしてご検討してみてはいかがでしょうか?

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