東洋医学という選択肢

第二章 治療のための準備

1 心の準備をする

病は気から

 辞書を引くと、「病気は気の持ちようで、重くもなれば軽くもなる」とあります。気の持ちようで重くなったり軽くなったりするのか、病気が重くなったり軽くなったりすると気持ちが変化するのか、どちらなのかは分かりませんが、気持ちと体調は影響しあうと言うことでしょう。
 東洋医学的には、病気はまず気の変化として現れます。気候が変化すれば体調が変化しますよね。気・候ですから気候の変化は気の変化です。人間は、意念が動くと陽気が動いて実体が動きます。東洋医学的にはこのように表現しますが、現代風に言うと、何かやろうと考える(意念が動く)と、心拍数を変化させたり体温を変化させて準備します(陽気が動く)。そして実際に行動します。何かを考えただけで行動する直前の状態まで体は変化します。気の持ちようで体は変化するんです。どうせなら良い方向に変化するように気持ちを持っていた方が良さそうですよね。

時間が解決してくれることもある

 人生に関わる大きなことが起こった時、頭では理解できていても、心が理解できない事があります。そんな時は一つの方法として成り行きに身を任せてみるのも良いです。時間という要素を解決方法の一つとして考えてみてください。何をしても良いです。何もしなくても良いです。

人との関りから解決してゆく

 一人で考えても解決方法はもちろんのこと、どうしたら良いかすら分からなくなる事もあります。周りにいる人の意見や助言を聞いても、今は何も響かないかもしれません。でも、家族や友人と接し、同じ時間を過ごす中で、何がしかの答えは見えてくると思います。人は人との関わり合いの中でしか道を探し出すことはできないのかもしれません。

運命的なものもある

 「尽人事以聴天命(人事尽くして天命を待つ)」と言う言葉があります。今できる事をやり尽くしたら、あとは天命を待つと言う事ですが、人の力ではどうしようもない大きな力と言いますか、運命的なものが、どうもあるようです。どうせ避けられない運命なら、その運命をぜひ上手く使ってください。ものは考えようです。筋肉痛という苦痛なくして筋力アップは無いように、この病気はあなたを成長させてくれるためのものかも知れません。

病気も自分の一部

 病気になると体のどこかが悪くなっている。その悪い部分を切り取ったり、薬で殺したりすれば病気は治る。……本当に、それだけでいいのでしょうか。今まで何十年か分かりませんが、一緒に苦楽を共にしてきた自分の一部です。何の理由も無くこんなことになるんでしょうか。正直、私にはその答えは分かりません。ただ、病気の体も健常な体もどちらも自分の体です。どんな状況であれ、良い悪いでは無く、自分の体として受け入れてあげて欲しいです。

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