東洋医学という選択肢

参考データ 〈症例報告〉

1 CVD(片麻痺、失語、交差麻痺)

40代男性

主訴 脳梗塞後の左片麻痺 2週間ほど
病歴 2週間ほど前に左側の動きが悪くなり救急へ。右脳梗塞と診断。その後2週間入院治療。
検査 歩行可能だが少し左側に違和感ある。左側の顔面と左上肢に痺れ様な違和感と左手は少し使いづらい。非常に疲れ易くなった。
診断 東洋医学:中風(中経絡)
    現代医学(参考):脳梗塞
治療 (1)中風による左半身麻痺に対して醒脳開竅法を実施。
    (2)体調を整えるため七星針法を実施。
経過 症状はほとんど回復し、初診から二ヶ月後に復職。2年経った現在も再発予防と体調管理のため通院中。

40代男性

主訴 脳梗塞後の右片麻痺と失語 3年
病歴 約3年前に左大脳脳梗塞を発症。現在は右片麻痺と失語。
検査 杖と装具を使った自力歩行可能。失語の程度は強くないが緊張感が増すと間違いが増える。
診断 東洋医学:中風後遺症(中経絡)
    現代医学(参考):左中大脳動脈領域脳梗塞
治療 (1)中風による右片麻痺と失語に対して醒脳開竅法を実施。
    (2)右片麻痺に対して巨針療法を実施。
    (3)頭部に頭針パルスを実施。
    (4)体調を整えるために七星針法を実施。
経過 右半身の過緊張は低下。また失語も普通に会話できる程度にまで回復しているが緊張すると間違いは増える。初診より1.5年経った現在も継続通院中。

50代男性

主訴 右半身の痺れ 2ヶ月
病歴 二ヶ月ほど前に眩暈と手足の痺れから病院へ。そのまま入院。脳幹部脳梗塞(ワレンベルグ症候群)と診断。現在は右半身の痺れと感覚障害が強い。左の運動障害は少しだけ。
検査 歩行を始めとする運動機能は問題なし。右の温痛覚障害あり。
診断 東洋医学:中風(中経絡)
    現代医学(参考):ワレンベルグ症候群
治療 (1)中風に対して醒脳開竅法を実施。
    (2)頭部に頭針パルスを実施。
    (3)体調を整えるために七星針法を実施。
経過 初診より一か月後、顔面感覚改善。五ヶ月後、多少の差はあるものの、右半身の温痛覚改善。治療期間中に左四十肩や右腰痛が発生するもののその都度治療により回復。初診より一年経った現在は月一回程度で体調管理のために通院中。

2 MND・ALS(全身型、下肢型、延髄麻痺型、その他)

30代男性

主訴 右手がうまく動かない 10ヶ月
病歴 10ヶ月ほど前に運動後1週間経っても脱力感が抜けず。一ヶ月経っても変化無かったため病院へ。3ヶ月ほど前に大学病院にてMND疑いありとのこと。
検査 歩行は問題なし。物を持ち挙げたり家事が少し困難。会話や食事に問題なし。
診断 東洋医学:痿証
    現代医学(参考):筋萎縮性側索硬化症(ALS)疑い
治療 (1)痿証に対して醒脳開竅法の変法を実施。
    (2)背部のこわばりに対して巨針療法を実施。
    (3)萎縮筋肉に対して神経パルスを実施。
    (4)体調を整えるために七星針法を実施。
経過 治療直後には明確な治療効果は確認できず。初診より三ヶ月後、ゆっくりではあるが症状が進行している模様。一年後、構語障害が軽度発生。治療により発語は改善する。一年半後、嚥下障害の軽度発生。治療によりムセは改善。程度は良くなるものの構語障害・嚥下障害共に存在。三年後、どもりが発生。治療により8割改善。全身状態は初診時より徐々に進行しているが、嚥下や構語が良好に保たれているので経口飲食に大きな問題は出ていない。

60代女性

主訴 歩行が続かない
病歴 一年ほど前から腰が重く感じていたが、8ヶ月前ころから歩行が長続きしなくなった。最近、歩行距離が落ちてきたので病院へ。MND疑いありとの見解。
検査 自力歩行可能だが、少し跛行(少しびっこを引いている)が見られる。下肢以外は問題ない。
診断 東洋医学:痿証
    現代医学(参考):運動ニューロン病(MND)疑い
治療 (1)痿証に対して醒脳開竅法の変法を実施。
    (2)下肢無力部に対して神経パルスを実施。
    (3)体調を整えるために七星針法を実施。
経過 治療後、足関節の動きが改善。歩行状態も治療後は改善見られるが戻ってしまう。初診より一年が経過するが軽度の進行は下肢に見られるものの、下肢以外は症状見られず。

60代男性

主訴 会話がうまくゆかない
病歴 一年半ほど前から滑舌が悪くなってきた。病院へ行きALS疑いとの見解。
検査 嚥下および構語障害みられる。手足に症状は何も見られない。
診断 東洋医学:瘖証
    現代医学(参考):筋萎縮性側索硬化症(ALS)疑い
治療 (1)瘖証に対して醒脳開竅法の変法を実施。
    (2)体調を整えるために七星針法を実施。
経過 治療後、嚥下・構語共に調子が2週間弱良かった。会話は構語に関係する筋肉の萎縮が見られるため回復には時間を要するが、たまに声がうまく出ることがあるとのこと。嚥下も同様に軽度見られるが食事の速度も上がっている。初診より三カ月経過するが、症状の進行は大きくは確認されない。

30代男性

主訴 体全体の筋肉のピク付き
病歴 4か月前ほどから体全体的に筋肉のピク付き。病院にてMND疑いとのこと。
検査 多部位に筋肉のピク付きと緊張感あり。
診断 東洋医学:肝鬱気滞
    現代医学(参考):運動ニューロン病(MND)疑い
治療 (1)全身の体調を整えるため七星針法実施。
    (2)局所的に醒脳開竅法の変法を実施。
経過 治療後、症状は改善。完全に取れる訳ではないが、筋肉のピク付きも緊張感も改善。10ヶ月通院のち症状の再発見られず治療終了。

CIDP・MMN

40代男性

主訴 手足が動かしにくい
病歴 年少時より発症。ステロイド剤で治療中。右下肢に力が入りずらく、右腕にも違和感がある。
検査 右太ももの筋萎縮あり。自力歩行は可能。
診断 東洋医学:痿証
    現代医学(参考):慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)
治療 (1)痿証に対して醒脳開竅法の変法を実施。
    (2)体調を整えるために七星針法を実施。
経過 治療直後効果は良好。力が入り易くなるとのこと。その後、現代医学の治療の補助として継続治療中。

その他(PD、術後)

50代男性

主訴 声が出ない、字が小さくなる
病歴 7年前よりPD。最近声の小さいのが気になる。
検査 自力歩行可能。声量が少なく、書字はだんだん小さくなってしまう。
診断 東洋医学:顫病
    現代医学(参考):パーキンソン病(PD)
治療 (1)顫病に対して醒脳開竅法の変法を実施。
    (2)体調を整えるために七星針法を実施。
経過 治療直後に声量アップ。二回目の治療後からは書字も改善。現在は体調の具合でスポット的に通院。

50代男性

主訴 動作が緩慢
病歴 7か月前に脳腫瘍の手術をした。それから動作が緩慢になり、左手が震える。
検査 左手に震えあり、左小指が一番震えが強い。
診断 東洋医学:顫病
    現代医学(参考):脳腫瘍手術後遺症
治療 (1)顫病に対して醒脳開竅法の変法を実施。
    (2)頭部に頭針パルスを実施。
    (3)体調を整えるために七星針法を実施。
経過 3回の治療で指の震えは軽減。その後、体調管理を含め定期的に通院。

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