神経筋肉疾患

緊張性頭痛

緊張性頭痛の概要

緊張性頭痛は、筋収縮性頭痛、精神性頭痛とも呼ばれ、慢性頭痛の中で最もよく見られる頭痛の一つです。

主な原因は、精神的要素または職業上の特殊な姿勢によって頚部の筋肉が持続的に緊張し、二次的に頚部血管が圧迫される事によって起こるとされます。その特徴は、頭全体の持続的な疼痛で、中医学では少陰頭痛に属します。

発病には明確な精神的要素が見られることが多く、理気調神の針法を用います。

症状

疼痛部位の多くは前頭、こめかみ、頭頂、後頭、頚部或いは頭部全体です。頭痛は、重い感じ、緊張する感じ、挟まれる様な感じ、引っ張られるような感じ、或いは腫れぼったい様な感じの痛みがします。朝夕がこのような感じがし、数ヶ月或いは数年続きます。緊張したり、思い焦ったり、イライラしたり、寝れなかった時に頭痛が増悪します。大体吐き気や嘔吐は無いのですが、眩暈になったり、怒り易くなったり、睡眠状態が悪くなったり、抑鬱状態になったり、思い焦ったりします。活動後に頭痛が悪化する事はありません。

鑑別

(1)偏頭痛:
頭痛の特徴は吐き気と嘔吐を伴うことです。また活動後に疼痛は増悪します。

(2)後頭神経痛:
疼痛部位の中心は後頭部及び頚部で、疼痛の程度と精神状態には密接な関係は見られません。後頭神経の出口に圧痛が見られます。

(3)頚性頭痛:
疼痛は後頚および後頭に最も症状が起こり、よく一側或いは両側の肩部及び上肢に痺れや痛みがあります。X線で頚椎骨増生或いは椎間板変性が見られます。

鍼灸治療

(1)治則:
調神理気・通絡止痛(精神を整え、経絡の流れを整えて痛みを止める)

(2)処方:省略
(3)操作:省略

(4)治療頻度・期間:
毎日2回治療し、15回を一療程とします。治療には2療程は必要です。

(治療頻度や治療期間は、理想的には上記ですが、一般的には、治療頻度は週2・3回で、治療期間は症状が改善するまで行ないます。また、予防や症状のコントロールを目的とした場合には、週1回もしくは2週間に1回の治療を長期間行ないます。)

治療理論

頭痛は中医学の中には、「真頭痛」や「脳痛」などとも呼ばれています。中医学では、頭は諸陽の会とされ、脳は精霊の腑とされ、五臓六腑の精血全てが注ぐとされています。よって、七情六欲(感情や欲求が病気の原因となるもの)や労倦内傷(疲労により発病すること)や久病不復(病気を長く患い治らない事)など皆、気血逆乱(気血を乱し)、昇降失常、清陽不達、脳絡受阻させて頭痛を引き起こします。本病の多くは感情的な要素と誘発原因があるため、調神理気、通絡止痛の法を用います。

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