東洋医学という選択肢

第一章 治療するということ

3 治療するためには体調が大事

死んでいる人に薬を与えても鍼をしても治らない

 至極当たり前の話ですが、生きている人と死んでいる人の差は何でしょうか。それは「回復力」です。死んでいる人には回復力はありません。治療を施して回復してゆくのは、その人に「回復力」があるからです。

どんなに腕のいい先生が治療しても回復力が無ければどうにもならない

 つまり、どんなに腕のいい先生が治療しても、どんなに素晴らしい薬を使っても、その人の回復力が弱ければ全然良くならないと言う事です。治療をする上で一番大事なことは、患者さん自身の回復力がある事、つまり体調をしっかり管理することです。

治療は患者さんとの二人三脚でやるもの

 治療者を信用し先生に治療を一任する。一見聞こえは良いですが半分だけ賛成です。治療をしてくれる先生を信用することはとても大事です。しかし、おんぶにだっこ状態になるのはどうかと思います。治療は患者さんと二人三脚でやるものです。私自身は今持っている力を最大限活用して治療に当たりますので、患者さん自身もしっかりと自分の体調管理をしてもらいたいと思っています。

体も心も調子を良くすることが大事

 現代医学では体と心を分けて治療に臨んでいます。これは現代医学がそのように考えた方が治療し易いというだけですが、実際、分けて考えた方が取り組み易い場合も多いかと思います。別々に取り組んでいっても体の調子が良くなれば気分も良くなるし、気持ちが落ち着いていれば体も楽になるものです。一緒に考えても良いし、別々に取り組んでも良いですが、どちらにせよ、体の状態も心の状態も含めた体調をコントロールして、調子を良い状態にしようとすることが、治療に取り組んでゆく上で本当に、とても大事です。

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