脳梗塞、脳出血、くも膜下出血で下記の症状が出ている方
当院では、天津中医薬大学第一附属医院の石学敏名誉院長が開発した、主に脳血管障害に対する治療体系、醒脳開竅法を活用し、治療に当たります。 この醒脳開竅法には、いくつかの治療体系が含まれており、中国では多くの医師が脳血管障害に対する治療方法として学習・実践しています。近年ではアメリカで紹介されたこともあり、欧米の医師が研修に来たり、患者も醒脳開竅法を受診しに天津に来ています。当院院長は長年にわたり天津中医薬大学第一附属医院で研修することで醒脳開竅法を理解し、臨床に応用できることを認定されている数少ない日本人の一人です。この醒脳開竅法を理解し応用することで脳梗塞の予防・急性期・後遺症を治療し、脳や神経や筋肉の病気である筋萎縮性側索硬化症(ALS)・運動ニューロン病(MND)や慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、パーキンソン病、神経痛、神経麻痺、顔面神経麻痺、ギランバレー症候群などに対しても一定の治療成果を治めています。
脳や神経の病気の方
頭部器官(目・鼻・耳・口)の症状の方
原因の良く分からない、からだの動きや感覚に不調のある方、脳や神経の疾患で悩んでおられる方、何かお手伝いできるかも知れませんので、ぜひ一度お問い合わせください。
醒脳開竅針刺法(せいのうかいきょうしんしほう)
この醒脳開竅針刺法(せいのうかいきょうしんしほう)を用いて、脳神経領域の症状に対して鍼灸治療を施してゆきます。この方法は東洋医学的にも現代医学的にも研究や臨床が進められている分野です。
本院長は約10年に及ぶ天津中医薬大学第一附属医院での臨床研修・研究や日本での臨床経験より、天津中医薬大学第一附属医院より正式に醒脳開竅法の認定を受けています。
頭皮針法
中国の鍼灸業界で、脳病に対して有効だと言われている治療法です。頭皮に刺針することにより脳血流の改善をはかります。頭皮針法は何種類かあり、当院では症状や治療効果を考慮して選択して使っています。
巨針療法
非常に効果の高い治療法で一般疾患にも非常に有効ですが、脳血管障害(脳梗塞・脳出血)後遺症によく見られる片麻痺などの神経麻痺には最も適していると言えます。
治療効果の非常に高い針刺法のひとつです。巨針の入手や、巨針の操作の難しさから、この針刺法を臨床で常用している鍼灸師はそれほど多くはありません。
巨針療法は、老中医がご子息の脳性麻痺を治すために考えられたと言われていますが、日本では新城三六先生が第一人者です。非常に効果の高い治療法で一般疾患にも非常に有効ですが、脳血管障害(脳梗塞・脳出血)後遺症によく見られる片麻痺などの神経麻痺には最も適していると言えます。
炭酸泉(オプションメニュー)
脳血管障害の治療の場合、基本的に治療に併用するようにお勧めしています。
近年の研究で、糖尿病・動脈硬化・高血圧などに効果があることが分かっており、脳血管障害(脳梗塞・脳出血)の治療や予防として効果が充分に期待できます。
脳血管障害の治療の場合、基本的に治療に併用するようにお勧めしています。
また、筋肉が強くなる際に作られるヒートショックプロテインが増加することも分かっており、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や運動ニューロン病(MND)などの治療にも効果が期待できる可能性があります。
治療には3つの目標があります。
治療は、下記の2つに分かれます。
①脳に対するもの
首の血行状態を改善することで、脳血流量を改善させたり、四肢の筋肉や神経に対して刺激を入れることで、筋肉の緊張を弛めたり、逆に筋肉を程よく緊張させたりします。
②体幹部に対するもの
東洋医学的に全身を捉えて気血のバランスを調整し、作用の相乗効果をねらいます。脳梗塞や脳出血などの脳血管障害に対する鍼灸治療の効果は、非常にすばらしいものがあり、特に、発症から三ヶ月以内の急性期や回復期での鍼灸治療は、運動障害や感覚障害に対して特に力を発揮し、後遺症の程度を軽減する事が知られています。また、ワレンベルグ症候群のような特殊な感覚障害に対しても良好な治療効果を得られた経験もあります。
「嚥下障害」とは、飲食の際にむせるもので、「構語障害」とは、うまく話せなくなるものです。
症状の出方は疾患の種類によって違います。特に「嚥下障害」は、非常に効果的に作用したケースが多く見受けられます。
鍼灸治療は、舌やのどに対して刺激をして気血の流れを良くします。それによって症状の緩和が起こってゆきます。また東洋医学的に、舌をコントロールしている「心」、のどをコントロールしている「肺」を中心に調整する治療をあわせて行ない、相乗効果をねらってゆきます。
嚥下チェックのひとつに30秒間に3回唾を飲んでもらう方法がありますが、数回の治療で30秒間に3回飲み込めなかった唾が飲み込めるようになることは、決して珍しいことではありません。
脳梗塞や脳出血の急性期、筋萎縮性側索硬化症などでは、特に嚥下困難が問題になることがありますが、非常に良い効果がでます。これら、「嚥下障害」や「構語障害」に対する物理的な治療方法は多くないので、非常によい治療方法の一つと言えます。
認知症に対しては、薬による治療法や頭を使ったりする治療法が、失語症に対しては言語リハビリがありますが、そもそも脳にしっかり血液が供給されていないといけません。また、体の冷えやお腹の調子も非常に影響します。
鍼灸治療では、頭部や首に刺激をすることで脳血流量を改善させたり、お灸を使って体を温めて冷えを改善させたり、腹部などに刺激をすることでお腹の調子を整えることで、改善を狙います。
また、現代医学で使われている薬には、非常に体を冷してしまうものがあります。ある種の薬を始めたら、とたんに痴呆っぽくなったり、うつっぽくなった、と言うケースがあります。その様な方には、 鍼灸治療を併用することで、体の冷えなどを改善し、併せて痴呆症状も軽減することもできます。
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血を総称して脳血管障害と言いますが、この脳血管障害の全ての時期で醒脳開竅針刺法を中心とした鍼灸治療で治療を進めることができます。
醒脳開竅針刺法は、元々は脳梗塞急性期に用いる治療方法として確立しました。その後、研究や臨床が進み、現在では脳梗塞の前駆症状である一過性脳虚血発作(TIA)や脳血管障害急性期・回復期・維持期の全ての時期に対する治療概念、治療方法が確立しています。
① 一過性脳虚血発作(TIA)
一過性脳虚血発作には稀に遭遇することがありますが、醒脳開竅針刺法を応用した方法を用いることで、今のところは大事に至ったケースはありません。その後も可能であれば治療と養生を進める必要があります。
② 脳血管障害急性期
脳血管障害急性期の治療は、日本では医療事情から鍼灸師はあまり見る機会がありませんが、今まで診てきた患者さまは社会復帰できるところまでは回復しています。これは、発症から時間が経たないうちに鍼灸治療が開始できたこと、また通院可能なくらいの病状だったことも、非常に良好な回復をした要因のひとつであると言えます。
③ 脳血管障害回復期や維持期の治療
脳血管障害回復期や維持期の治療では、比較的重度な症状の方もいらっしゃいます。発症から治療開始までの経過時間、物理的に脳の障害の程度が短期的な回復のポイントです。治療半年程度続け、回復の度合いから短期的回復可能な状況を把握します。長期的には、最近の脳に対する研究から、発症から数年経つと神経回路が回復することが分かっていますが、その回復には継続的な治療やリハビリが必須です。外部からの鍼灸刺激による治療とリハビリが少しずつ回復を促します。
また、近年麻痺患者さんにボトックス注射をして麻痺を軽減させる方法がありますが、何人かの患者さんが当院でも試されています。数が少ないのではっきりとしたことは言えませんが、皆さんともボトックスの効果があまり見られませんでした。これは鍼灸治療によって既に筋緊張がある程度下がっているからと私は考えています。この状況からも鍼灸治療が有意義であると言えると思っています。
初めはうまく箸が使えない、よくつまづくようになる、などの症状から起こることが多く、次第に筋力低下による無力感や話しずらくなる、むせるようなる、感情がうまくコントロール出来なくなるなどの症状が見られるようになってゆきます。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)または、運動ニューロン疾患(MND)とも呼ばれます。この疾患は進行性で、手の筋肉、特に母指の付け根の部分の筋肉が萎縮することが典型的な症状と言われています。現在、薬物療法もありますが、針刺治療も比較的よい治療効果が見られます。針刺治療直後には力が入るようになったり、動かしやすくなったりすることは珍しくありません。
実際に、3mを歩いて時間を計るテストをしてみると、歩行時間が治療前後で改善されることは良くあることです。また、手のひらを何回も裏返すテストも治療前後で行うと、これも改善されることがよくあります。これは細かい動作がやりやすくなっていることを示唆するので、名前や住所を書いてもらうと、書き易くなったり、筆圧が上がったりします。握力も治療前後で変化し、患者さん本人が力が入るようになったと感じることが見られます。しかし握力計の数値としては、それほど大きく変化が見られない事が多いです。
嚥下障害に関しては非常によい治療効果を出すことが多く見られます。30秒間3回嚥下テストが出来なかった人が出来るようになったり、食事中のムセの回数が減少したりすることは珍しくありません。また、構語障害にも発音がはっきりするなどの治療直後効果が見られますが、構語障害については、一度話しずらくなると、あまり話さなくなってしまい、うまく治療効果が発揮できないことが多いように感じます。
この疾患に対する治療は、とにかく頻繁に治療することと、今の症状を改善もしくは進行を緩やかにさせるように治療に取り組むことがとても重要です。今まで数十人の運動ニューロン病の患者さまを見てきましたが、とにかくこの病気は人によって症状の出方も、症状の進行も、まったくバラバラで一定しません。中には症状が止まったように見えるくらい症状が変化しなくなる方もいますし、着実に症状が進行してしまう方もいらっしゃいます。
治療直後に症状の改善が見られることからも、鍼灸治療が治療の助けになると信じ、また鍼灸以外にも漢方薬の紹介や、食事療法、運動療法など可能な限りお手伝いさせて頂いております。遠方からも何泊かして治療を受けられる方もいらっしゃいますので、状況が許す方は、ぜひ治療を受けることをご検討ください。
その他にも、パーキンソン病、ギランバレー症候群等に鍼灸治療を行っております。脳神経の病気でお悩みの方はもちろん、身体に不調があるのに原因が分からず困っている方是非一度、お問合せ下さい。
脳梗塞や脳出血、また筋萎縮性側索硬化症(ALS)や運動ニューロン病(MND)などの、脳・神経・筋肉に関係する難しい症状や病気に対して、鍼灸治療ではどのように考えて、どのように治療にあたってゆくのかを、詳細に紹介します。
ちょっと難しく感じる方は、気軽にお問い合わせください
題名 | 説明 |
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運動ニューロン病における鍼灸治療と 中薬治療の組み合わせ |
運動ニューロン病に対してどのように鍼灸治療と中薬治療を組み合わせてゆくかという内容です。 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の臨床報告 | 30年前の古い論文です。 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の針刺治療 | 私が研修していた病院の論文集に出てくる報告です。。 |
顔面神経麻痺 | 突然顔面が動かなくなります。 |
メニエール病・メニエール症候群 | 難聴と回転性めまいを伴います。 |
片麻痩(脳梗塞・脳出血後遺症) | 脳梗塞や脳出血による片麻痩(半身不随)に対する中医鍼灸での考え方や治療について |
仮性延髄麻痺(脳梗塞・脳出血後遺症) | 脳梗塞や脳出血による構語障害や嚥下障害に対する中医鍼灸での考え方や治療について |
脳血管性認知症 | 脳血管に起因する病気から起こる認知症(痴呆症状)に対する、中医鍼灸での考え方や治療について |
中風(脳卒中)前兆の弁証治療と臨床研究 | 中風(脳卒中)の前兆に対する、現代医学的・中医学的診断と鍼灸治療と臨床研究について |
中風(脳卒中)急性期の弁証治療と臨床研究 | 中風(脳卒中)の急性期に対する、現代医学的・中医学的診断と鍼灸治療と臨床研究について |
運動ニューロン疾患 | 運動ニューロンに関する原因不明の慢性進行性疾病です。筋萎縮性側索硬化症(ALS)も含まれます。 |
脳卒中(脳梗塞・脳出血) | 脳内の血管に障害が起こり発症します。 |