気が付けば年末を意識しだす10月になりましたね。すっかり秋も深まってきて、これから寒くなってゆきますね。食欲の秋ですし、食べ物もおいしい季節ですから、あまり大勢では食事はできませんが、十分に秋の味覚を楽しみたいですね。 ほうしょう鍼灸治療院の松田です。
今回は陰部の痒みや痛みについてです。
まず、局所的な治療は病院で診てもらいましょう。問題になるのは感染症によるものですが、この分野は現代医学を優先するべきと考えています。
そのうえで、東洋医学的にどのように考えるかを紹介してゆきます。
まず、痒みや痛みについてです。
東洋医学では、痒みは「虚」によるもの、痛みは主に「実」によるものとされています。そして陰部のような場所は、全身状況が弱っている、つまり「虚」の状態では「気血」が巡りづらくなりやすいので、局所的に「虚」の傾向が強まり、痒みになると考えられます。同様に「気血」が巡りづらいことでうっ血しやすくなる、つまり「実」の状態にもなりやすいので痛みも出やすいと言えます。
現代医学っぽく言うのであれば、血行が悪くても、滞っていても、場所の構造的に、かぶれやすい。正常な状態であれば、かぶれるまえに、自己修復力が働くのでかぶれずに問題は出ないです。血液が足りなくても、滞っていても、結局、血液の中に入っているであろう組織を修復するための物質が来づらくなるので、修復が追い付かず、結果、痒みや痛みとして自覚症状が出ると言うことになります。
この状況が一過性に起こったものであれば、今の症状を抑えれば、あとは時間がたてば回復しますが、もし、この状況が継続的に起きているとしたら、根本的な原因を探っていった方がイイと思います。
臨床的に、一番多いのは、砂糖がたくさん入っている飲食物の過食によるものです。甘い食べ物は少量では消化器の弱っている人を元気にさせますが、量が多すぎると逆に消化器を悪くします。つまり胃腸の動きが悪くなりますが、胃腸の動きが悪くなると、水の代謝に影響が出て、簡単に言うと浮腫みやすくなります。普通は、まず胃腸がある腹部から浮腫みますが、水は下に落ちるので、下腹部の水の動きが悪くなります。結果、前述したような状況になり、痒みや痛みが出てしまいます。
これ以外にも、過度の疲労によって「肝」の動きが悪くなると、「肝の蔵血作用」に影響が出てうっ血しやすくなるので、人によっては陰部に痒みや痛みが起こることもあります。
実際は、様々な状況がありますが、もし、現代医学的な治療の経過が思わしくないときには、東洋医学的にも考えてみるのも良いと思います。