まっちゃん先生のコラム

コラム:頸部ジストニア(痙性斜頸)

2022年始めのコラムになります。本年もよろしくお願いいたします。
新年早々に雪も降って、寒い日が続きますが、東洋医学的には寒い時期は陰気が強く、陽気を無駄に損なわないようにした方が、春以降に陽気を活動させやすいと考えます。
簡単に言えば、寒いときは、汗をたくさんかかない程度に運動は抑えたり、動かない運動をする方が良いという感じです。当然、個人差がありますから、人によりますが、原則の一つとしては参考になるかと思います。

さて今回は、少し難しい症状である「頸部ジストニア(痙性斜頸)」についてです。

ジストニアとは、「持続性の筋収縮を呈し、しばしば捻転性または反復性の運動や異常姿勢をきたす症候群(中略)、のちに中枢性の持続性筋緊張更新が主要概念となった(以下省略)」(南山堂医学大辞典より引用)、とあり、このジストニアが頸部、つまり首で起こるものが、頸部ジストニアです。

現代医学的な解釈はここでは省略しますので、専門書などを見てください。

東洋医学では、自分の意志とは無関係に動いてしまうので、「神不導気」と表現され、「神」が気を導くことができずに、つまりコントロールすることができずに勝手に動いてしまうと考えます。
そして、勝手に動いてしまった部位、今回は頸部ですが、局所的には「気滞血瘀(きたいけつお)」と表現される状態になりやすいと考えています。簡単に言えば、凝りやすい状態になっているといった感じです。
このように考えるのが、東洋医学の中の「気血」という理論体系で考えた場合です。

さらに、別の理論でも考えてみます。
頸部は筋肉が豊富で、動きが多様です。「肝」は「在体合筋」と言われ筋肉と関連が深いと言われます。動きは「陽気」の働きとされ、人体の陽気の根源は「腎」にあると言われるのと、飲食によって「陽気」を補填してゆきますが、その要は、気をつかさどる「肺」の「陽腑」である「大腸」ということになります。
このように考えるのが、東洋医学の中の「臓腑」という理論体系で考えた場合です。

上記の状態を解消するように取り組めば、理論上では症状が改善方向に向かうはずです。
実際は、なかなか簡単にはゆかず、試行錯誤しながら取り組んでゆくことになりますので、症状の変化には時間がかかることが普通ですし、通常の治療とは違った取り組みが必要になることも多いです。

ちなみに、鍼灸治療は、「気滞血瘀(きたいけつお)」の解消や変化に作用しやすいのでお勧めできますが、他の不調の程度が強いと、上手く効果がでないので、様々な方法を使って取り組んでゆくのが良いと思います。

まっちゃん先生のコラム
コラムカテゴリー