このコラムを書いている今日は、東京では雪が降っています。現時点ではほとんど積もっていませんが、結構寒いので、この後に積雪が多くなると、明日の朝に路面凍結が至る所で起きそうで、ちょっと怖いです。
池袋のほうしょう鍼灸治療院です。
さて、今回は手首の痛みについてです。
整形外科疾患で、手首周辺で良く起こる痛みを伴う病気は、手根管症候群か腱鞘炎かと思いますが、今回は、これらの病名が付くものではなく、病名がはっきりしないものについて考えてゆこうと思います。
現代医学的には、手首が痛い場合は、手首(手関節)そのものに何か問題が起こって痛みが出ている可能性が高いです。局所的な問題が大きい場合は、現代医学的な処置が有効ですので、その場合については、これ以上は今回は述べません。
ここでは、現代医学的な処置によっても症状の変化が思わしくない場合について、東洋医学ではどのように考えているのか?を紹介します。
先ず、関節は筋肉によって動いています。そして、関節には適度な隙間があり、かつ、適度に潤滑が行われていることで正常な動きをしています。
筋肉は「肝」による影響が大きいと東洋医学では考えています。これは、筋肉がスムーズに動くには「肝」が正常に稼働していることが必要という風に考えますが、正常では無くなると筋肉がスムーズに動かなくなり、強ばってきます。つまり、関節の隙間が狭くなってゆく傾向が出ます。潤滑に動くには「液」が必要とされていて、「津液」は「腎」が調節しています。
次に、痛みが出るのは、「気血」の流れが悪いから、とされているので、痛みの部位によって該当する「経絡」の流れが悪いために起こっていると考えられます。
広く知られている臓腑理論と経絡理論の二つの理論から解釈をしましたが、これ以外にも理論はあるので、他の解釈をすることもできます。
前者の臓腑理論から言うと、「肝」か「腎」が問題になりそうですので、どちらの臓腑に問題があるか、もしくは、他の臓腑にも問題は無いか、をチェックして診断と治療をしてゆきます。
後者の経絡理論から言うと、痛みの部位によりますので、動きによって「経絡」の走行部位かをチェックして診断と治療にあたってゆきます。
このような考え方は、他の関節にも適応できますが、実際の臨床はもう少し複雑で、体に出ている他のサインも参考にしながら、東洋医学的に診断・治療を進めてゆきます。