まっちゃん先生のコラム

コラム:肩の痛み

先日、多賀大社という神社に行ってきました。
 鍼灸学校に行っていたときに、少しご縁が出来たことがきっかけで、それ以降、毎年9月上旬に休暇も兼ねて参拝に行っています。そばには、彦根城もありますし、近江牛も有名で、琵琶湖もありますので、のんびりするのも良い所です。チャンスがあれば、神木のあるところまで行ってみたいですね。

池袋のほうしょう鍼灸治療院です。

今回は、肩の痛みについてです。
 今回のコラムは、肩関節について東洋医学ではどのように考えているのか?を紹介してみようと思います。

東洋医学における大きな基礎理論は、「臓腑理論」と「経絡理論」でしょう。まずはこの二つの理論面からの考え方で考えてみましょう。

まず、「臓腑理論」の観点からです。
関節は、「動く」ので、スムーズさが必要です。それを「疏泄」の作用の一つとしています。また、関節は筋肉によって動くことができます。筋肉は「肝」と関連が深いです。つまり、関節を機能の面から考えた場合、「肝」と関連が深いことになります。
関節自体は、骨や靭帯などの構造物から構成されています。内部には滑液もあります。骨は「腎」と関連が深く、また、滑液も「腎」と関連が深いです。つまり、器質の面から考えた場合、「腎」と関連が深いことになります。特に肩関節は大きな関節で、内部の滑液の役割も大きいので、「腎」との関連は重要になります。

次に、「経絡理論」の観点で考えてみましょう。
肩関節を走行する経絡は、前面が「手陽明大腸経」、側面が「手少陽三焦経」、後面が「手太陽小腸経」です。人体は気血の流れがスムーズだと正常に機能すると言われているので、肩関節を走行する経絡の気血がスムーズに流れていることが肩関節が正常に機能することにつながります。
正確には「経絡理論」には、「経脈」「絡脈」以外にも「経別」や「経筋」などもあるので、もう少し複雑ですが、今回は「経脈」の話だけにします。

上記の理論から考えるのであれば、あくまでも机上の話ではありますが、臓腑で言うところの「腎」か「肝」、経絡で言うところの「手陽明大腸経」か「手少陽三焦経」か「手太陽小腸経」のどこに問題があるのかを判断すればよいことになります。
で、これが何なのか?と言う話です。

加齢は「腎」に影響が出やすいです。つまり、四十肩のような加齢が比較的に大きく関係する症状の場合、直接的には「腎」の状態を改善すればよいことになります。
しかし、加齢を改善することは出来ません(「腎」の状態を改善することは可能ですが……)。よって、他の角度から対処を試みるときに、「肝」や「手陽明大腸経」などからチェックして、必要に応じて対処してみる。といった風に理論を使ってゆきます。

例えば、「腎」が主原因の四十肩だった場合、過労や暴飲暴食は「肝」の機能を悪くしますので、四十肩は悪化する可能性が高いです。器質面だけでなく、機能面でも「臓腑理論」の角度から考えた場合、状況は良くないですから、普通に治療した程度では、状況は好転しないことが少なくありません。

このような感じで理論を使いますが、あくまでも理論は理論ですので、実際の状況とよく照らし合わせて、臨床では考えてゆく必要があります。

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