まっちゃん先生のコラム

コラム:腰痛と脳神経症状

五月下旬に入ってきて、暑い日が増えてきましたね。夜は、まだ寒く感じる日があるので、気温差による体調の変動には気を付けましょう。
 池袋のほうしょう鍼灸治療院です。

さて、今回は「腰痛と脳神経症状」についてです。
 腰痛には様々な要素が絡み合い、現代医学的にも東洋医学的にも様々な原因や要素が考えられます。東洋医学では「腰は腎の府」と言われるので、いちばん最初に診断や治療でポイントと考えるのは、「腎」です。ですので、東洋医学的に「腎」の状態をチェックします。多くの場合、直接的には「腎」が強く関与していることが多いです。

「腎」が腰痛の大きな原因となる場合については、今までに紹介したこともあると思いますし、様々な文献にも紹介があると思いますので、参照して見てください。
 ココでは、少し特殊なパターンとして脳が関係する場合について紹介してゆきたいと思います。

東洋医学では「腎」は「水」を象徴し、「心」は「火」を象徴します。そして、「水」と「火」はセットとなって様々な身体における運動や代謝の説明の基礎となっています。つまり、「腎」の問題は「心」の問題となり得ると言うことです。そして、東洋医学では「心」は、現代医学で言うところの循環器と脳に大きく関与します。つまり、現代医学的には脳の問題、つまり東洋医学的に「心」の不調から腰痛が起こり得るということになります。あくまでも理屈上の話ですが。

今紹介している話は非常に稀なケースと言えます。ただ、ごく稀に臨床で見られることも事実です。そして、この場合の腰痛では、2・3週間すると収まってしまうことも多いです。また、脳の画像診断でも分からないこともあると思います。私の想像ではありますが、恐らく、脳虚血状態が非常に小さな領域でおこり、急性期では、その部位で浮腫が起こることで腰痛などの症状が出るが、早いと数日でそれは収まってしまうと思うので、後遺症などは残らず、腰痛などの症状も緩解もしくは軽減してしまうのではないか?と考えています。

しつこいですが、今回紹介した例は、稀なケースで、多くの場合は「腎」などの他の原因によるものが、ほとんどです。また、現代医学的に脳が主な原因であった場合、腰痛しか症状が出ないことは、まずありません。しかし、いつもと様子が違う場合、腰痛だからと安易に考えずに病院を受診して意見を聞くことも必要な場合があることも、知っておいた方がイイかも知れませんね。

ちなみに、当院の鍼灸では、上述の状況が疑われたら、「醒脳開竅法」などを一部使用して東洋医学的に「脳」へのアプローチも併用して腰痛に対して施術してゆきます。

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