医療では語られない “意図・能動性” の重要性を紹介し、鍼灸の介入可能性を自然に理解してもらう。
この記事を書いている現在は旧暦の十月、つまり神無月です。翌月には冬至、つまり、一陽来復があります。これは、「一陽来福」として、良い事の起こりとして有名ですね。そして、実際の良い事を実感しだすのは、春節以降、つまり、二か月後以降なのです。
これには二つの教訓があります。
一つは、良い起こりの前は、一見すると悪い状態にも見えること。
もう一つは、良い起こり以降、心がけや行動をしばらく継続しないと、実感できる状態にはならないこと。
これは、文章で読むとなんてことのない話ですが、例えば、病気のリハビリや、再発予防の取り組みなど、その方法や思考が正しくても、それが分かるのは数か月後ということです。そして、それには大まかな法則はあるものの、実際の部分は人によって変わる部分が多々あるので、本人がやってみないと判断できない事。つまり、判断ができるまでの期間は、信じてやるしかない。この信じてやるのは、病気後の不安な状況下では、より難しい。
何をもって信じるかは、人によって価値観が違うので、その人によると思いますが、自分が病気になったときでは無く、自分の近しい人が病気になったときのために知っておくと良いですね。
さて、今回のコラムは「脳梗塞後の回復しやすい人、しにくい人の違い」についてです。
そして、この話は脳梗塞を経験したご本人、もしくは、ご家族やご友人として関係のある方に向けたものです。
まず、
「発症から三か月以内」
これが、いちばん大きな原則です。
この三か月以内にできる限りのことをすることが非常に重要です。
そして、
「睡眠、運動、食事」
この三つがちゃんとコントロールできること。
リハビリの話では無く、それ以前の生活の話です。極端な例を言うなら、リハビリをしているからと言って、睡眠不足を続ければ、回復が上手くゆかない可能性が高まるでしょう。
この二つの条件がクリアできている上で、私が考える回復しやすい人は、
「目的をもってリハビリをしている」
でしょうか。
例えば、言われるままに指を動かす、というリハビリより、意識的に指を開く、とした方が、良い印象があるということです。もう少し広い話では、早く良くなりたい、というよりも、半年後にディズニーランドに行く、みたいな感じの方が良い印象があります。
当たり前と言えば、当たり前な話ですが、
何かの意図をもってリハビリする、例えば、指先を意識しながら動かすとか、
自分から進んで能動的に目標に向かってリハビリする、例えば、今日は公園まで行って紅葉を見て帰ってくる、
みたいな方が回復に対して良い印象があります。
当院の鍼灸治療では、鍼を刺しながら手や足を軽度に動かす方法を行う場合もあります。
この方法は、鍼灸治療の効果に患者さんの意図をうまく乗せ、効果を良くする目的で行います。脳梗塞の部位によっては、逆にやらない方がよい場合もありますが、必要に応じて行っています。




