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脳卒中後の「この症状」、もう治らないと言われた方へ

鍼灸が関われる後遺症・関われない後遺症

「これ以上は良くならない」と言われたあとに残る、不安と戸惑い

脳卒中や脳梗塞を経験し、リハビリに一生懸命取り組んできた方の中には、
ある時点でこんな言葉をかけられた経験のある方も少なくありません。

「これ以上は、今より大きな改善は難しいですね」

それは決して冷たい言葉ではなく、
医学的・制度的な区切りとして伝えられることがほとんどです。

ただ、その一方で――

  • 症状はまだ残っている
  • 日常生活では困りごとが続いている
  • でも、どこに相談すればいいのか分からない

そんな宙ぶらりんな感覚を抱えたまま、時間だけが過ぎていく。
「もう仕方ないのかな…」と思いながらも、
心のどこかで諦めきれない方も多いのではないでしょうか。

「問題ない」と言われる理由は、本当に“回復の限界”なのか

医療現場で使われる「問題ない」という言葉の意味

医療の現場で使われる「問題ない」という言葉は、
日常会話で使うそれとは、少し意味合いが異なります。

多くの場合、それは、

  • 命の危険が差し迫っていない
  • 医学的治療や制度上のリハビリの対象から外れた
  • 数値や画像では変化を評価しにくい

といった医療側の判断基準を示しています。

「症状が残っている」と「何もできない」は同じではない

ここで一度、立ち止まって考えてみてください。

  • 「完治しない」こと
  • 「今の生活がこれ以上変わらない」こと

この二つは、本当に同じでしょうか。

改善とは、必ずしも「元通りになること」だけを指すわけではありません。
日常生活の中で感じている “しづらさ” が変わる余地は、
まだ残っているケースも少なくないのです。

脳卒中後の後遺症には、いくつかの“性質の違い”がある

脳そのものの損傷による症状

脳卒中では、脳の一部が損傷を受けます。
その部位そのものが元に戻ることは、確かに簡単ではありません。

ただし、

  • 病巣の周囲の働き方が変わる
  • 損傷部を経由しない別の脳の使い方を学習する

といった形で、体の反応が変化する余地が残ることもあります。

脳卒中をきっかけに起きた、体の使いづらさ

一方で、後遺症のすべてが「脳の損傷そのもの」だけで説明できるわけではありません。

  • 筋緊張の偏り
  • 感覚の鈍さや過敏さ
  • 動かし方の癖や姿勢の崩れ

こうした要素が重なり合って、
「動かせるけれど使いづらい」状態になっていることも多く見られます。

すべてが同じ「治らない」ではない

この視点は、とても大切です。

鍼灸が関われる可能性のある後遺症

では、鍼灸はどのような部分に関われるのでしょうか。

動かしづらさ・こわばり

  • 運動麻痺を含む「使いづらさ」
  • 力が入りすぎる、抜けない感覚

こうした状態は、
神経だけでなく筋肉や感覚の影響も受けています。

しびれ・違和感・疲れやすさ

  • 検査では異常が出にくい
  • でも、生活の中では確実に困っている

こうした症状は、数値では評価しにくい分、
相談先が見つからずに放置されがちです。

姿勢・呼吸・バランスの崩れ

リハビリが一段落したあとに、

  • 姿勢が崩れたまま固定される
  • 呼吸が浅くなる
  • 片側に体重をかけ続けてしまう

といった状態が、身体のコリとして残ることも少なくありません。

鍼灸だけでは対応できない後遺症もある

一方で、はっきりお伝えしておきたいこともあります。

明確な脳組織の大規模欠損による機能消失

脳組織そのものが大規模に失われている場合、
鍼灸だけで機能を回復させることは困難で、個別にご相談が必要です。

現在の症状が、重度な進行性・再発性の疾患

症状が重度に進行している場合や、
再発のリスクが非常に高い状態では、
医療的管理が最優先される場合があります。

医療的管理が最優先となる状態(医師の許可が必須)

鍼灸は、医療の代わりではありません。
必要に応じて、医師の判断と連携することが前提となります。

リハビリが終わったあとに残る“空白の時間”に鍼灸ができること

制度上のリハビリと、生活の中の困りごとのズレ

制度上のリハビリが終わっても、
生活の中の不便さは続くことがあります。

そのズレの部分に、
鍼灸が関われる余地が生まれます。

「訓練」ではなく「日常」に戻る段階での支え

  • 歩く
  • 立ち上がる
  • 疲れにくく過ごす

こうした日常動作を、
無理なく続けられる状態を支えること。

体の感覚をもう一度取り戻すという考え方

「動かす」と同時に、
「感じ取れるかどうか」。

体の感覚に働きかけることは、
その後の動きやすさにも影響します。

「問題ない」と言われたあとに、考えてほしいこと

ここで、いくつか問いを投げかけてみます。

  • 何が「問題ない」と言われたのでしょうか
  • そして、何が今も困っているのでしょうか
  • その困りごとに、まだ関われる余地はないでしょうか

答えを急ぐ必要はありません。

もし、今の症状について整理したいと思ったら

鍼灸が合うかどうかも含めて、
一度、今の状態を整理してみるのも一つの選択です。

やれば必ず劇的に治る、という話ではありません。
しかし、何らかの変化や手がかりが得られる可能性はあります。
病気の一番の薬は「希望」であったりします。

医療やリハビリと並行しながら、
「新たなの選択肢の一つ」として鍼灸治療を考えていただければと思います。