池袋・目白の鍼灸院「ほうしょう鍼灸治療院」です。
年の瀬も近くなり、大分寒くなってきましたね。寒さも本番となり、空気も乾燥して、インフルエンザなどが流行ってきましたが、体調は崩さずお過ごしでしょうか。
冬の味覚と言えば、レンコン、大根、白菜、牡蠣などでしょうか。
どれも体を引き締めたり、温めたりする食材ですが、これは全て火を通したり、漬物にするなど加工したものの話です。大根などは生で摂ると、熱冷ましに使うくらいですから、体を冷やします。これらの食材を見れば、なべ料理を連想しますが、なべ料理は冬には持ってこいな料理、と言うことに東洋医学的に見てもなります。
旧暦では、今年は11月22日から2月18日までが冬になりますが、東洋思想的には一年で一番、「陰の気」が強い季節、つまり「陽の気」が弱い季節になります。特に冬至までの間は、最も「陽の気」が弱く、それに関わる症状も多く出る季節でもあります。
「陽の気」が弱いと起こりやすい症状は何でしょうか?一般的に言う「冷え」て起こる症状です。
例えば、お小水が近くなったり、寒さで腰痛が起こったり、足が冷たくて寝付けないなどです。
東洋医学では「腎」「膀胱」や「肺」「大腸」に関わる症状が多く見られます。冬になると喘息が増えますが、東洋医学では喘息は「腎」と「肺」の病気だからなんです。
つまり冬の養生は、1)「陽の気」を蓄えることする、2)「陽の気」を逃がさないようにする、と言うことになります。
体を引き締めたり、温めたりする食材は、1)の「陽の気」を蓄えることになります。
逆に2)の「陽の気」を逃がす食材は、果物や生野菜などで、砂糖のたくさん入ったものや冷たい豆乳もそうです。
ちなみに、ピーナッツを煮て食べるのが冬の養生食なのですが、胃腸が弱い人やのぼせる人はNGです。
また運動は全般的に「陽の気」を蓄えますが、冬はランニングなどのような運動よりも、ヨガのような比較的動かない運動の方が良いです。決してランニングがいけないと言っている訳ではありませんが、東洋医学の発想からは、夏は汗を思いっきりかくような、体を激しく動かすような運動がよく、冬はじんわり汗をかくような、あまり体を動かさないような運動がよいからです。
鍼灸治療では、上述の「腎」や「肺」などに対する治療や、お灸をメインに使った治療を施します。
また、当院には「炭酸足浴」がありますが、鍼灸治療に合わせて使うととても良いです。ちなみに、私は自分の体調を管理するために、よく「炭酸足浴」に入っていますよ。「炭酸足浴」の解説は、別のコラムでご紹介します。
東洋医学用語説明
1)肺:現代医学的は肺臓とは少し違い、東洋医学では呼吸を司り、汗や大小便の排泄に関与し、全身の様々な機能を微調節する作用があるとされる。
2)腎:現代医学的な腎臓とは少し違い、東洋医学では全身における水の調節機能、成長・生殖に関する機能を持つ主要臓腑とされる。
3)大腸:現代医学的な大腸とは少し違うが、東洋医学でも大便を排泄させる臓腑とされる。また全身の水の調節にも関与するとされる。
4)膀胱:現代医学的な膀胱とは少し違うが、東洋医学でも小便を貯留・排泄させる臓腑とされる。