まっちゃん先生のコラム

コラム:更年期障害

少しずつですが、春が近付いている雰囲気が出てきましたね。池袋・目白のほうしょう(蓬松)鍼灸治療院の松田です。
暖かくなってゆくのは良いですが、花粉症の方はイヤな季節かもしれませんね。花粉症については以前コラムで書きましたので、(コラム:花粉症 http://houshou-hari.com/column/activities/colum02.html)そちらもご覧になってください。

今回は更年期障害についてお話しさせて頂きます。

そもそも「更年期」とは、閉経を挟んで大体10年くらいの期間、つまり女性の平均閉経年齢が50歳くらいなので、女性の45~55歳くらいの期間のことを指しています。この時期に女性ホルモンが変化することによって起こる、さまざまな症状から起こるトラブルを「更年期障害」と言っています。
また、更年期障害で起こる症状は、そもそも女性に起こりやすい症状なので、更年期ではなくても、つまり年齢が若かったとしても、更年期障害で起こるようなトラブルが起きることがあります。

鍼灸治療では、「肝」「脾」「腎」を中心に身体の状態を判断して治療にあたってゆきます。婦人科全般に言えますが、鍼灸治療は良い効果を出すことが多いので、更年期障害にも良い作用を示すことが多いです。しかし、鍼灸治療では苦手なタイプの更年期障害もあります。
それは、過労や睡眠不足、食生活の不摂生や持病などによって、身体が「虚している」、つまり、身体が弱っているために、さまざまな症状が出ている時です。
そもそも更年期障害は、東洋医学的には年齢とともに起こる加齢現象の一つです。全てと言う訳ではありませんが、多くは身体が「虚して」ゆくことで起こる症状です。そこに、更に身体を弱くすることをしていれば、症状が出やすいのは当然です。

とは言え、今の自分の身体がどのような状態なのかは、自分ではなかなか判断できないものです。私も偉そうなことを書いていても、自分の身体のことは判断に迷うこともあります。
まずは、東洋医学の専門家に身体の相談をしてみて、自分の身体の状態をチェックすることが大事です。その上で、治療をどのようにするのかを考えてゆくのが良いと思います。

鍼灸治療と漢方薬を比較すると、鍼灸治療は、バランスを取ったり、流れが悪いものの流れを良くする作用が有利で、漢方薬は、身体を強くする作用が有利です。つまり、身体が極端に「虚して」いる時には、漢方薬を優先に使っていったほうが良いと言うことです。更年期障害は、流れが悪くなって起こっている症状も多いので、理想を言えば、両方を上手く使っていくのが良いのですが、今の身体の状態から、どちらをメインに取り組んでゆくのかを考えて治療に取り組んでゆくのが良いのではないかと思います。

生活習慣の改善に取り組む場合、まず考えた方が良いのは、あまりやってはいけない事をしない事です。よく、「何を食べたらよいですか?」と聞かれますが、何を食べたらよいかより、何を食べない方が良いかの方が、現代では大事ではないかと思います。
いつも言っていますが、まず甘いものを避けること、つまり精製された糖(上白糖とか)や果物を避けることです。そして、高たんぱく食、つまり肉とか卵とか牛乳とかを摂り過ぎない事です。
まず甘いものや果物ですが、身体を結果として冷やすことになるので避けた方が良い場合が多く、高たんぱく食は体内で老廃物を多く作りやすいと言われているので摂り過ぎに注意します。
実際は今の体調や季節によって少し変わってきますが、この二点は当てはまることが多いので注意してみるとイイでしょう。
そして、運動ですが、少し汗のかくような運動をすると良いです。人によって運動の強度はまちまちになりますが、運動は体温を上げることにもつながるし、老廃物の排泄にもつながります。

更年期障害は、ある一定期間に起こってしまう様々な身体の変化です。病気というよりは、年齢的な変化に体調が追いつかずに起こっていることが多いです。鍼灸治療をはじめ、治療として取り組んでゆくことは良いですが、それよりも、生活習慣の改善から取り組んでゆくことの方が、私は大事だと思っています。
私も自分にはつい甘くなりますが(笑)、うまく取り組める方法を探してゆくのが良いですね。

東洋医学用語説明

:現代医学的な肝臓とは少し違い、東洋医学では心身共に適度な緊張感で機能するように調節する作用、全身各部へ必要な血液量を分配する機能、胆汁を作る機能を持つ主要臓腑とされる。
:現代医学的な脾臓とは違い、東洋医学では消化吸収を司り、水の代謝調節、出血の調節する作用があるとされる。
:現代医学的な腎臓とは少し違い、東洋医学では全身における水の調節機能、成長・生殖に関する機能を持つ主要臓腑とされる。

まっちゃん先生のコラム
コラムカテゴリー