まっちゃん先生のコラム

認知症に対する鍼灸治療

先日、浅間山が小規模な噴火をしたらしいです。とうとう九州だけでなく関東方面でも火山活動が活発化してきましたねぇ。「備えあれば憂いなし」ですから、こういう時に災害対策をやっておきましょうね。池袋・目白のほうしょう(蓬松)鍼灸治療院の松田です。

今回は、認知症についてお話ししてゆきましょう。

そもそも私は脳神経領域の内容はそれなりに得意です。認知症もその一つに入りますので、東洋医学的にも現代医学的にも、それなりには説明できるのですが、話が難しいので(笑)、できるだけ分かるように紹介してゆきましょう。

認知症の原因は大きく分けると二種類あります。一つは加齢性のもの、もう一つは何かの病気によるものです。しかし実際の臨床ではこの二つを厳密に分けることはとても難しいです。たとえば、最近よく聞くようになったレビー小体型認知症は、ある種の加齢現象でもあると私は思います(ただし、若年性のものは判断が難しいです)。しかし、このような病名がつくと病気による認知症となってしまいます。アルツハイマー型も同様です。

ここでは、脳の実質に何がしかの問題が出てくるものと脳の血管などのほかの部分に問題が出てくるものに分けて考えてみます。前出のレビー小体型とアルツハイマー型は前者、脳血管性認知症は後者になります。

このように分けて考えるのは、東洋医学的に考えた場合にはこのように分けるからです。前者は、ある種の加齢現象と表現しましたが、東洋医学ではこのような場合は「腎」や「三焦」がポイントになります。「腎」はその人の生命力の源みたいな感じで、「三焦」はその生命力の通り道みたいな感じです。後者は「心」や「肝」がポイントになります。「心」はいわゆる循環器のようなもので脳血管も含まれ、「肝」はその血管の中を流れる血液を調節しているところです。

鍼灸治療として取り組む場合、この二者を判断して治療に臨みます。しかし、実際の臨床ではこの両者は混在していることがほとんどなので、結局、両方治療します。

そして、「腎」はその人の生命力の源的な力があるので治療には時間がかかります。また「心」は君主の官と言われていて、とても大事な臓腑だと考えられているので、「心」の治療も同じように時間を要します。

また、生活習慣の改善も必ず必要です。適度な睡眠、運動、学習、適切な食事などなど。ここら辺はいろいろと詳しい文献があるのでここでは細かく書きませんが、高血糖が認知症に拍車をかけるというのは有名な話ですので、甘いものには、かなり注意が必要です。

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