まっちゃん先生のコラム

味覚が教えてくれる、体のサイン

病院研修

8月中旬に、毎年恒例の天津での病院研修へ行ってきました。

1・2階は鍼灸外来で、3階より上が病棟になるのですが、鍼灸外来だけで20室以上あります。患者さんの多くが脳梗塞や脳出血などの脳血管障害で、他にも腰痛や頚椎症や顔面神経麻痺の患者さんが多く来院します。すごく大きい病院です。ちなみに、鍼灸以外にも中医内科とか他の診療科目も他の建物に入っているのですが、写真のような建物が他に二つあります。

こういう大きな針灸科があるのは、中国でもあまりなくて、天津の病院は特別かもしれません。この病院で10年以上、ある先生に就いて勉強させてもらっていますが、日本ではまず経験できない治療を見ることができるし、また、先生に治療や難しい病気の相談もできるので、大変勉強になっています。天津での美味しい食べ物の話も機会があればお話ししましょう♪池袋・目白の蓬松(ほうしょう)鍼灸治療院の松田です。

身体の変化はいろいろなところに出ますが、味覚としても体調が現れてきます。

こんな経験はしたことありませんか?

上司に怒られたり、ミスがあったりしてイラついた日、無性に甘いものが食べたくなってケーキバイキングに行ってしまった…
とか、

ちょっとハードな仕事が続いてテンションが上がらないので、馬力を出すのに焼肉を食べに行った…
とか。

「こういう時はこういうものを食べた方が良い」という話をよく聞きますが、端的に結論から言うと、
『食べたくなったものを食べるのが正解』
です。

なぜ甘いものが食べたくなるのか?とか、なぜ焼肉が食べたくなるのか?という理屈はありますが、難しい話はちょっと置いておいて、基本は「食べたいものを食べる」です。

そしてもう一つ、気を付けなければいけないのが
『食べ過ぎ注意』
です。

特に、甘いものが食べ過ぎる傾向が強いので注意が必要です。正確に言うと精製されているものが入っている食べものは食べ過ぎる傾向があります。食卓塩も精製されていますから、しょっぱいものも食べ過ぎる傾向がありますが、「塩分の取り過ぎは良くない」ということが知られているので、大丈夫なことが多いです。

ちなみに、小難しい理屈の説明をしますと、ストレスで甘いものが食べたくなるのは、元々体質が陰性の人(女性に多く見られます)が、ストレスなどで心身が緊張すると、身体は陽性に傾いてしまうので、元に戻そうとして陰性のもの、特に甘いものが食べたくなることが多いです。他にも陰性のすっぱいものや辛いものが食べたくなる場合もあります。
焼肉が食べたくなるのは、元々体質が陽性の人(男性に多く見られます)が、疲労などによって心身が脱力すると、身体が陰性に傾いてしまうので、元に戻そうとして陽性のものである肉料理や味の強いものが食べたくなります。
ちなみに、ここで肉料理を食べ過ぎると、逆に陽性に傾き過ぎて陰性のものが食べたくなります。男性で多いのは強いお酒が飲みたくなることが多いです。もちろん、前出の甘いものの場合もあります。

今回は、陰性・陽性でお話をしましたが、食べたい味覚や食べてもあまり感じない味覚の種類で五臓のどこに問題が起こっているか?というのも分かったりします。いろいろな方が、五臓と味覚の話はしていると思うのですが、結構この話は難しいのです。(五臓とは東洋医学での考え方の一つですが詳細は省略します)
今回の例を挙げると、甘いものが食べたくなるのは五臓の脾に問題があるからと考えるのですが、脾に問題がある場合、甘いもので解決する場合と、しょっぱいもので解決する場合と、すっぱいもので解決する場合と…と何パターンもあるんです。
東洋医学はバランスを取ることで体調を変化させようとしますが、五臓をベースに話をすると5パターン関係するので、どうしても話が複雑になってしまうのです。単純に「甘いものを食べたい→脾が悪い」ではないのです(東洋医学では甘味は脾に関係すると考えています)。

ですので、ここでは陰性と陽性の二種類で考える方法を書かせてもらいました。ご自身の体質について調べたい方はインターネットでチェック項目がたくさん公開されていますので、ぜひご自身でチェックしてみてください。ではまた。

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