春には、三寒四温というくらいですから、暖かい日と寒い日が交互にやってきならが、春から初夏へ向かってゆきますが、温度差が激しいので、思いのほか体力を消耗することが多いです。ですので、この時期に風邪をひいたり、体調を崩したりする人が結構出てきます。体力の消耗が精神面に出ると、いわゆる五月病と言われる状態に近くなるので、休息をうまく取るようにしたり、鍼灸などをうまく使って体調コントロールをするとイイですよ。 池袋のほうしょう鍼灸治療院です。
さて、今回は腰痛、特に右側に出る腰痛についてです。
東洋医学的には、腰痛が右側に出やすいか、左側に出やすいかで診断や治療が少し異なります。
東洋医学には、いくつかの基礎理論があるので、その理論背景によって考え方が多少異なります。例えば、左は陽がつかさどり、右は陰がつかさどると言われるので、臓腑理論を中心に考えた場合、左は「肝」、右は「肺」が関係すると言われます。この理論から言うと、右側の腰痛は、「肺」が関係することになります。教科書には右は「肺」が関係すると書いてあるので、そのまま受け取れば右側の腰痛は「肺」の治療をする必要があることになりますが、実は、ちょっと違います。
少し理論的な話になるので、難しくなってしまいますが、右は陰を象徴し、身体では降ることを象徴します。五臓の中では降ることをつかさどるのは、「胃」「肺」「腎」で、少陰をつかさどるのは「肺」なので、右が「肺」と言われますが、右は「降る」ことをつかさどっているというのが本当です。ですので、身体の右に出る症状=「肺」が関係するでは、実はありません。
鍼灸臨床においては、右側の腰痛は、「腎」か「肝」に原因があると考えて治療した方が結果的によいことが多いです。それは、腎臓も肝臓も右側についているからです(腎臓は左側にもついていますが…)。
治療は、巨鍼と言うとても長い特殊な鍼を使うと効果が非常に良いことが多いです。ただ、この鍼は刺激量が普通の鍼よりも多いので、鍼灸治療に慣れているなど状況を判断して使用します。
臨床の実際は、他の診察方法をいくつか使って、本当に「肝」が主たる原因かどうかを診断したうえで、治療を進めてゆきます。
東洋医学は、学問ですので、しっかり診察すれば、ちゃんと診断して原因を探ることが出来るので、治療だけではなく、生活において何を気を付ければよいのか?なども、お話しすることが出来ます。