夏も終わり、少し秋めいてきましたね。昨日今日は台風が来ている影響か少し暑いですが、旧暦では晩秋です。東洋医学的には陽気が減少していっているので、元々陽気が弱い体質の人や過労などで陽気が減っている人は身体の弱い部分に症状が出ることが多いです。季節と様々な症状の関係は現代医学では、まだよくわからない範疇ですが、臨床では陽気の減少によっておこる症状が増えてくるので、現代医学においても何がしかの変化が起きていると思います。
池袋のほうしょう鍼灸治療院です。
さて今回は、前回の「右側の首の痛み」に続いて「右側の背中の痛み」ついてです。
前回同様に東洋医学的な原因は「肝」にある場合が多いです。長期的な服薬やサプリメントなどの服用、あるいはアルコールの過剰摂取などで起こることが多いですが、特に思い当たるものが無くても「肝」の問題が起こることがあります。
東洋医学では「肝」は「疏泄をつかさどる」とされています。「疏泄」とは簡単に言うと、身体の機能がのびやかに作用することと、排泄に関係する作用のことです。過度の精神的緊張で体がこわばることは、多くの人が経験したことがあると思いますが、これは「肝」の機能に影響が出てのびやかさが維持できずに、こわばってしまうと東洋医学では考えます。つまり「肝」の機能に影響が出ると、筋肉がこわばる傾向がでますが、それが右の背中にでることがあるということです。
他にも目の使いすぎから起こることもありますが、これは前回説明しましたので省略します。
右側の背中の筋肉に何がしかの問題が起こっていることは、痛みが出ていることからも明白ですので、鍼灸では、その部分に施術はしますが、「肝」に対しても施術してゆくことで、東洋医学的に根本的な治療も併せて行ってゆきます。
また、「肝」の機能を低下させてしまっている要因に対してもアプローチしないといけませんが、必要な薬の服用や、仕事によるものの場合、変えられないこともありますので、その場合は、飲食やスマホの使いすぎなどの変えられるところから変えてゆく必要があります。