本年に入ってから新型コロナで大騒ぎですね。今はまだ新ウイルスの症状の傾向などが、はっきりとはしていませんが、徐々に傾向が見えてきているようです。全容が見えてくれば対処の方法も見えてくるはずですので、今後の科学的な根拠をもとにした発表をみてゆく必要がありますね。
そして、11月からしばらくの間、治療院をお休みさせていただいておりましたが、3月から診療時間を変更して再開しております。今後もよろしくお願いいたします。
池袋のほうしょう鍼灸治療院です。
さて今回は「胸苦しさや息がしにくい」について紹介してゆきます。
今流行している新型コロナやインフルエンザは東洋医学では「外感病」と呼ばれているもので、今回の話とは違う内容ですが、少しだけ東洋医学的な解釈を紹介してゆきます。
「外感病」とは東洋医学で「外邪」と呼ばれるものに侵されて起こる病気のことで、現代医学で言うところのウイルスや細菌などに感染して起こる風邪のような病気などを言っています。
「外邪」には種類があって、一般的な風邪では大きく二種類で「風寒」と「風熱」です。今回の新型コロナはマスコミなどの報道を見ていると恐らくは「風寒」が主体だと思いますが、効果が良いかもしれない漢方薬の情報や、だるさや浮腫み、下痢などもみられるという情報から「風湿」が主体かも知れません。または、感染からの時期によって主体となる「邪気」が変化するのかもしれません。
対処方法は、手洗いうがいなどが大事なのは現代医学と一緒で、「邪気」に打ち勝つために「正気」を養わなくてはいけませんが、現代医学で言う所の、回復力を高めたり、免疫力を高めるために、十分な休息や栄養が必要なのも一緒です。
それと、「風寒」も「風熱」も共に「陰邪」と分類される「邪気」なので、温める治療、つまり鍼灸的にはお灸を使って温めてあげることが良いことになります。
ちなみに、温めるのがよいなら、お風呂は?という話になることがよくありますが、これは状況によるので一律にはお勧めはできません。体力が十分にある人が、予防という観点から湯舟に入って温めるのは良いとは思います。
さて、「胸苦しさや息がしにくい」ですが、東洋医学の観点から見た場合、臨床では「心」の問題であることが実は多いです。それ以外にも「肝」から起こることも少なくありません。
「心」は「肺」と協力して「宗気」というものを作っていると東洋医学では考えていますが、これは現代医学で言うところの循環器と呼吸器が協力して全身に酸素を送っている状況にとても似ています(少し違いますが、そこは省略します)。この「宗気」の状況が良くないときは、臨床的には「心」が不調な場合をよく見かけるといった感じです。理論的には「肺」も考えられますが、前出の「外邪」によるものや、呼吸器系の疾患を元々持っている人以外では、「肺」を主体として起こっていることは多くないです。
「肝」は東洋医学では「疏泄」をつかさどると言いますが、この「疏」という字には、のびやかに、とか、自由にとか言うニュアンスがあるので、「胸苦しさや息がしにくい」などが「肝」の「疏泄」がうまく機能していなくても起こると考えています。現代社会では、現代医学的にも東洋医学的にも、肝臓や「肝」は負担が大きく、不調を出しやすいので、臨床的によく見かけるといった感じです。
鍼灸では、お体の状態を見て、どの「臓腑」や「経絡」に不調が出ているのかを判断してゆきますが、上記のように「心」や「肝」を中心に考えた取り組みをしてゆくことが多いです。