泌尿器疾患
腎結石の概要
小便が頻回で量が少なく出ずらく尿が滴るような場合や、下腹部の尿道に差し込むような痛み或いは張るような痛みが見られるものを淋証と呼びます。症状の違いによって、一般的には熱淋・石淋・気淋・血淋・膏淋の五種に分けられます。現代医学の泌尿器系感染症・泌尿器系結石・腫瘤・結核・前立腺疾患及び白濁尿などの病種があります。ここでは泌尿器系結石(腎結石・膀胱結石)の針灸処方について紹介してゆきます。
本病の発生原因に関しては中医学と現代医学の認識は比較的似ています。中医学では、外感湿熱或いは脾鬱湿熱が下注することによって湿熱が蘊結して、本病に至るとされています。現代医学では、泌尿器系の炎症或いは物理的(結石など)刺激によって泌尿器系の粘膜が直接損傷されることに関係があるとされています。本病の針刺治療は迅速な止痛・消炎・排石・止血に良好な治療効果があります。
治療方針
疏利膀胱・通淋止痛
(膀胱を通じさせ、排尿を正常化させ痛みを止める)
治療過程:
鍼治療は毎日二回、耳針は毎日一回、15日を一療程とします。
病状改善後は、鍼治療は毎日一回、耳針は隔日一回、連続で一ヶ月治療します。
長期に及ぶ臨床研究で、私たちの淋証針刺治療から理論根拠が見出されました。研究では針刺は迅速に輸尿管の痙攣を解除し、疼痛を緩解させ、輸尿管の蠕動運動を増大させます。針刺の刺激強度を増加するによって、輸尿管の蠕動運動は増大し、尿流量も増加してゆきます。これによって止痛・利尿・排石作用が達成されます。
本証の病程は長いものも短いものもあり、体質が強い場合も弱い場合もあり、或いは瀉し或いは補い、或いは攻補兼施をし、人によって適当な選択をし、証によっても適当な加減をすることで、治療効果を得る事が出来ます。