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慢性胃炎

消化器疾患

慢性胃炎の概要

慢性胃炎は、浅表性胃炎や萎縮性胃炎や肥厚性胃炎を含みます。本節では慢性胃炎から引き起こされる胃カン痛の針灸治療に重点を置いて紹介します。

中医と現代医学の病因に対する基本的な認識は一致しています。中医学では、本病は飲食傷胃、肝気犯胃、脾胃虚弱によって引き起こされると考えています。現代医学では、多くの原因から引き起こされると考えられています。例えば長期間の刺激性の飲食物摂取・薬物服、口腔咽喉部の慢性炎症などです。

高次脳機能が錯乱した時、胃神経に対する求心性調節は減退し、胃粘膜の保護機能は低下し栄養障害になり、慢性炎症に至ります。或いは、胆汁の逆流によって胃粘膜障壁が破壊されます。或いは、免疫素因によって、それは恐らく萎縮性胃炎の重要な原因です。その病理所見は、浅表性胃炎では胃粘膜の充血、水腫があり、併せて滲出、びらんなどの特徴があります。萎縮性胃炎では胃粘膜が暗灰色を呈し、粘膜は薄くなり、粘膜下静脈を見ることが出来る特徴があります。肥厚性胃炎では、胃粘膜の粗雑化、肥厚、充血、水腫及び滲出が主要な病理変化です。

症状

本病は、臨床上特異的な症状が見られません。一般的によく見られる症状は、食後の上腹部疼痛です。疼痛以外では、食欲不振、悪心、腹脹およびゲップが併せて見られ、慢性萎縮性胃炎では前述の症状以外に、併せて疲労感、痩せ、貧血、下痢、舌淡、爪甲脆弱などが見られます。慢性肥厚性胃炎では消化器潰瘍の臨床特徴に類似したものがあり、併せて上部食道出血が見られることがあります。

鑑別

慢性胃炎の症状と、その他の疾病は類似したところがあります。例えば消化器潰瘍、胃癌及び神経性胃腸障害です。臨床上では誤治の発生を防ぎ、しっかり鑑別をする必要があります。

(1)消化器潰瘍:
この疾病の症状と慢性肥厚性胃炎は似ていて、食後の疼痛があります。しかし、消化器潰瘍の疼痛は一定周期で規律性があります。且つ胃カメラとX線検査でも二者の区別がつきます。

(2)胃癌:
幽門部に炎症が発生した時、幽門部が狭窄してX線検査で容易に幽門癌と誤り易いため、胃カメラや胃粘膜の生化学検査を用いて鑑別診断を進めます。萎縮性胃炎の時は、痩せ、食欲低下、貧血、及び胃酸欠乏などを伴い胃癌の症状と似ています。これもX線や胃カメラの検査によって鑑別をする必要があります。

(3)神経性胃腸障害:
慢性胃炎が、もし神経性症状を伴う時、神経性胃腸障害との鑑別は最も難しくなります。胃カメラや胃粘膜生化学検査によって鑑別を行ないます。神経性胃腸障害では、胃カメラ及び胃粘膜生化学検査では病理変化は見られません。

鍼灸治療

(1)治則:
健脾養胃、化オ止痛(胃腸機能を健やかにする、血行改善し痛みを止める)

(2)配方:省略
(3)操作:省略

(4)治療頻度・期間:
毎日針刺2回、二組を午前午後に各一組使用、10日を1療程とします。連続3~5療程治療します。

(理想的には上記ですが、一般的には、治療頻度は週2・3回で、治療期間は症状が改善するまで行ないます。また、予防や症状のコントロールを目的とした場合には、週一回もしくは二週間に一回の治療を長期間行ないます。)

治療理論

本病は慢性病、かつ胃カン痛の範疇です。病程が比較的長く、胃腸病の中では比較的多く見られます。主に飲食傷胃、心情不舒、脾胃虚弱から引き起こされます。或いは五味の味付けが極端、辛過ぎる、油っぽい、飲酒が過ぎるなどから蘊湿生熱、傷脾碍胃、気機壅滞、カン悶脹痛を引き起こします。本病の早期では実証で日が経つにつれ脾胃を損傷して多くは虚証になります。

本病の治療は、健脾養胃、化オ止痛を主とします。本病の臨床での針灸利用効果は比較的良いですが、病程が長い場合は良く反復発作を起こします。もし、体調の管理・保護や生活の多方面に対して注意を強化しなければ、全快することは難しいです。

蓬松鍼灸情報館
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