皮膚疾患
帯状疱疹の概要
纏腰火丹は腰脇部に大小不揃いの水疱が発生するものを指します。古医籍中での名称は単一では無く、《外科大成》では“纏腰火丹”、《外科啓玄》では“蜘蛛疱”、後世では“串腰龍”と呼ばれています。
現代医学では“帯状庖疹”と呼ばれ、水痘-帯状疱疹ウイルスに感染することによって引き起こされた急性の疱疹性皮膚病です。その主要な臨床特徴は、発疹部位には往々にしてまず神経痛か痒みか皮膚の感覚過敏があり、神経痛が最も突出しています。疱疹は粟粒状で、大きさは緑豆ほどで、疱液は澄んでいて、疱壁は緊張して光沢があります。周囲は発赤し、数個が群れを形成して現れます。
古人は纏腰火丹に対して病名・症状から病機病位まで全て詳しく深い論述をしています。《医宗金鑑・外科心法要訣》には“纏腰火丹蛇串中、干湿紅黄似珠形、肝心脾肺風熱湿、纏腰已遍不能坐。”とあります。
帯状庖疹分布に対する特徴は、現代医学で一側の末梢神経に沿って帯状に分布する事が知られています。よく併せて神経痛と局所リンパの結腫が見られ、回復後の再発率はとても低いです。
治療方針
去湿清熱、消疹止痛
(湿を取り除き熱を冷ます、できものを消し痛みを止める)
纏腰火丹は現代医学では帯状庖疹と呼ばれます。多くは脾胃運化失常から、水湿停滞し、長くなると熱化します。或いは肝胆湿熱から鬱滞して火化します。或いは湿熱毒邪が経脈を侵襲します。また、湿熱内蘊して、脈絡を塞いで、?理から発生して、皮部に達します。故に疱疹は群がり痒みが起こり痛みは酷いです。
治療上ではよく清熱瀉火・解毒利湿の方法を用います。刺絡療法に針灸を配合し運用することで、治療効果は際立って顕著で、且つ効果が早いです。刺絡抜罐は血液循環を促進し、代謝を増強します。局部の免疫状態の機能を改善する事で、ウイルスを滅ぼす事ができ、細菌の続発感染を抑制し、帯状庖疹の治癒作用を加速させます。臨床では数百症例の蓄積があり、普通の針刺方法と比較すると治療効果は顕著に良く、即効性の止痛消疹の効果があります。