03-5954-6460
ネットでのご予約

仮性延髄麻痺麻痺(脳梗塞・脳出血)

脳神経疾患の臨床と研究

仮性延髄麻痺麻痺(脳梗塞・脳出血)の概要

脳幹の延髄という部分に関する病気の障害で、発語・嚥下・咀嚼が出来なくなる、もしくは障害されることを「(真性)延髄麻痺」もしくは「仮性延髄麻痺」と言います。

両者の違いは、「脳のどの部分に障害があるか」ですが、共に脳内病変は両側性です。脳血管障害性仮性延髄麻痺の原因としては、小規模な何回かの脳梗塞や脳出血であることが多いです。この場合の特徴は、運動麻痺や感覚障害といった症状を伴う場合がほとんどだという点です。

中医鍼灸では、どのように考えるか

中医学では、舌やのどの動きが良くないのはその部分に気血がうまく流れていないからであると考えます。また、舌やのどに気血を送る元にも問題があれば同様に動きがうまくゆきません。

よって、舌やのどに対する気血の流れを良くする治療と、舌をコントロールしている「心」、のどをコントロールしている「肺」を調整する治療をあわせて行なってゆきます。

中医鍼灸では、どのようにちりょうするのか

実際の治療は、あごの下から舌に向けて刺針したり、耳の後ろからのどに向けて刺針したりします。また、手や足のツボを使って「心」「肺」を整えるような治療もします。

脳血管障害による仮性球麻痺症状を持つ場合は、全身の症状がかなり重篤な場合から軽度のものまで幅が広いため、治療に使用する鍼や刺激量にも幅があります。よって、治療頻度や期間もかなりの幅があります。

一般的には、片麻痺の治療と同じように発症から6ヶ月以内(回復期)であればなるべく頻繁に治療したほうが良く(毎日もしくは隔日)、それ以降(維持期)は、治療を開始して1・2ヶ月は週2・3回で治療し、その後は徐々に間隔を広げ週1回か半月に一度くらいにしてゆくという感じですが、仮性球麻痺以外の症状があまり顕著でないのであれば、比較的治療効果は良いように感じていますので、比較的早く症状が改善されるかもしれません。

脳梗塞や脳出血などの脳血管障害における後遺症に対する鍼灸治療の効果は、非常にすばらしいものがあります。特に、発症から三ヶ月以内の急性期や回復期での鍼灸治療は、運動障害に対して特に力を発揮し、後遺症の程度を軽減する事が知られています。また、運動器だけではなく、脳自体に対しても治療効果があるという研究報告もあります。

日本では、まだまだ片麻痺に対して鍼灸治療が有効であるということは知られていませんし、鍼灸治療自体もまだまだ知られていない部分が多いようです。ここで紹介させて頂いたように鍼灸で治療する事が出来るのです。

脳梗塞や脳出血の治療は時期を逃すと治療効果に大きな差が出てしまいます。これは、現代医学でも一緒です。いかに早い段階で適切な治療を始められるかどうかがポイントになります。

質問や疑問があれば、お気軽にお問い合わせください。

蓬松鍼灸情報館
脳神経領域の鍼灸治療

運動ニューロン病(MND)における鍼灸治療と中薬治療の組み合わせ 運動ニューロン病に対してどのように鍼灸治療と中薬治療を組み合わせてゆくかという内容です。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)(臨床報告) 30年前の古い論文です。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の針刺治療 私が研修していた病院の論文集に出てくる報告です。
片麻痺(脳梗塞・脳出血) 脳梗塞や脳出血による片麻痩(半身不随)に対する中医鍼灸での考え方や治療について
仮性延髄麻痺麻痺(脳梗塞・脳出血) 脳梗塞や脳出血による構語障害や嚥下障害に対する中医鍼灸での考え方や治療について
脳血管性認知症 脳血管に起因する病気から起こる認知症(痴呆症状)に対する、中医鍼灸での考え方や治療について
中風(脳梗塞など)前兆の弁証治療と臨床研究 中風(脳卒中)の前兆に対する、現代医学的・中医学的診断と鍼灸治療と臨床研究について
中風(脳梗塞・脳出血)急性期の弁証治療と臨床研究 中風(脳卒中)の急性期に対する、現代医学的・中医学的診断と鍼灸治療と臨床研究について
運動ニューロン疾患 運動ニューロンに関する原因不明の慢性進行性疾病です。筋萎縮性側索硬化症(ALS)も含まれます。
コラム:首の引きつる偏頭痛