まっちゃん先生のコラム

腰痛の種類・治療・解消法

1.概要
 腰痛は、その字が表すように腰に痛みを出すものです。腰は背骨の中で骨盤の上にあって、肋骨があるエリアの下の部分です。痛みは背骨に出ることもありますし、左右のどちらか、あるいは全体的に痛みが出ることもあります。

2.腰痛の種類
 急性に発症するものの中に、腰椎(腰の骨)や腰椎椎間板が捻挫のような状態になり炎症を起こしてしまっている場合があります。この場合は、現代医学的な治療が優先すると私は考えています。具体的に言うと炎症を止める薬を早い段階で使った方が、のちのち腰痛が長引かないで済む場合が多いようです。
 急性に発症しても、腰の筋肉に原因があるもの、また、段々と腰痛が起こってゆくもの、すでに腰痛が慢性化しているものなどは、鍼灸治療が功を奏すことが多いようです。

3.腰痛と食べ物
 総じて言うと、からだを冷やす食べ物、もしくは結果的にからだを冷やしてしまう食べ物の過食がネックになる場合が多いです。良く見られるのがくだものの食べ過ぎや生野菜の取り過ぎです。例えば、健康を気遣って毎朝、野菜ジュースを飲んでいたり、豆乳を冷たいまま飲んでいたり、グレープフルーツジュースを飲んでいたりします。どれも、健康を害するという訳ではありませんが、自分の体質と合わないのに、自分の許容量以上に摂っていたりすると、腰痛の原因にもなりますし、腰痛が治りづらくなる一つの原因になってしまったりします。

4.腰痛と鍼灸治療
 鍼灸治療では、五臓六腑のどの部分に主たる原因があるかを判断します。良く見られるのは「肝」と「腎」と「大腸」です。
 「肝」の場合は右腰痛が多く、暴飲暴食、過労、貧血、ストレスなどが原因になる場合が多いです。
 「腎」の場合は全体的な腰痛が多く、過労、寝不足、婦人科疾患などが原因になる場合が多いです。
 「大腸」の場合は左腰痛が多く、便秘、下痢、アレルギーなどが原因になる場合が多いです。
 どの場合も、原因に対する鍼灸治療と腰や骨盤の調整を鍼灸もしくは整体などを用いて行ってゆきます。急性で筋肉に問題がある場合は比較的早く効果が見られますが、慢性に腰痛が起こっている場合は、原因が根深い場合が多いので、鍼灸治療に合わせて、飲食を摂精したり、運動療法やストレッチなどを組み合わせて行って行きます。

5.腰痛とその他の取り組み
 腰痛を起こしやすくなっていることが分かっている人は、食事や運動に気を付けるようにします。特に甘い物や体を冷やす物の過食は引き金になりますので、ちょっと腰が怪しい時には控えた方が良いでしょう。
 また、マッケンジー法などの腰痛を予防する体操は、その人に合えば予防にも治療にも使えますので、あまり痛くない時に、いろいろと試してみるのが良いでしょう。


東洋医学用語説明
1.肝:現代医学的な肝臓とは少し違い、東洋医学では心身共に適度な緊張感で機能するように調節する作用、全身各部へ必要な血液量を分配する機能、胆汁を作る機能を持つ主要臓腑とされる。

2.腎:現代医学的な腎臓とは少し違い、東洋医学では全身における水の調節機能、成長・生殖に関する機能を持つ主要臓腑とされる。

3.大腸:現代医学的な大腸とは少し違うが、東洋医学でも大便を排泄させる臓腑とされる。また全身の水の調節にも関与するとされる。

4.五臓六腑(臓腑):東洋医学では、身体機能を発現させるための重要な要素を五臓六腑に集約して考えており、五臓とは「肝」「心」「脾」「肺」「腎」のことで、六腑とは「胆」「小腸」「胃」「大腸」「膀胱」「三焦」のこと。現代医学的な内臓とは東洋医学では少し解釈が異なる。また「臓腑」と省略して表現することもある。
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