呼吸器疾患
慢性鼻炎の概要
鼻窒は即ち鼻塞(鼻閉・鼻詰まり)の事で、鼻塞は軽くなったり重くなったりし、或いは両側の鼻孔が交互に閉塞します。反復して発作を起こし、経過は長く完治せず、酷い時には嗅覚が無くなるなどの特徴を持つ一種の病証です。その発病には季節性と地域性は無く、多くは湿度が高く涼しい環境に置かれた後に増悪します。その病因病機は傷風によって鼻塞が反復発作を起こすか或いは空腹や満腹や疲労や肺脾気虚から、邪気が鼻竅に停滞して発病に至ります。治療上では補益肺脾・行気化オ・去邪通竅を以って主要な方法とします。
現代医学の慢性鼻炎が本病に相当します。その病理変化は鼻腔粘膜の慢性炎症です。多くは急性鼻炎の反復発作あるいは経過が長くなり完全に治らなかったものによるか、或いは近接器官(副鼻腔・扁桃体など)の炎症が干渉して鼻粘膜の慢性充血腫脹を引き起こします。
治療方針
治則:
疏風清熱・宣肺通竅
(風邪を疏通させ熱を冷ます、肺を宣通させ竅を通す)。
療程:
本証の治療は1回目で効果が見られます。但し毎日針刺2回、15回を一療程として連続治療することでよい治療効果を強固にすることが出来ます。
鼻窒即ち鼻塞(鼻詰まり)は、中国医学の古典にもはっきりと述べられています。古典上記載から、鼻窒は実証ですが、本虚標実の証であることが分かります。肺脾気虚が本で、邪が鼻竅に留まり、停滞して通じなくなったものが標です。風邪が肺を侵襲し、肺気が不宣となり、肺竅不利になります。風邪が長く留まる事で熱化し、孔竅を塞ぎ、不通になることが本病です。ゆえに治療は宣肺・散邪・通竅によって治法とします。針治療で使用するツボは相互作用して泄熱・散邪・通竅の効果があり、鼻塞を治癒させることが出来るとされています。